鼻を強くかまないコツ|鼻づまりや花粉の季節に負担を減らす習慣
鼻がつまっていると、つい一度で出し切ろうと力を入れたくなります。しかし、基本は逆です。片方ずつ、弱い力で、数回に分けてかむほうが、鼻や耳への負担を抑えられます。
そもそも鼻づまりは、鼻水だけでなく鼻の粘膜の腫れによっても起こります。強くかめば必ず通るわけではないため、「出ないときほど力を抜く」と覚えておきましょう。
今日から意識する3つのこと
- 両方の鼻を一度にかまず、片方ずつかむ
- 一気に出し切ろうとせず、小刻みに繰り返す
- 痛み、耳の違和感、鼻血が出たら中断する
結論:片方ずつ、ゆっくり小刻みにかむ
鼻をかむ強さは、鼻水が動く最低限で十分です。 大きな音を出す必要はありません。
基本の手順は次のとおりです。
- 清潔なティッシュを鼻に軽く当てる
- 口から息を吸う
- 片方の小鼻を指でそっと押さえる
- 反対側から、ゆっくり短く息を出す
- 一度で出なければ休み、左右を替えて繰り返す
- 終わったらティッシュを捨て、手を洗う
新居浜市医師会も、鼻を上手にかむ要点を「片方ずつ・ゆっくり・やさしく」と案内しています。両鼻を押さえて力いっぱいかむ方法は、耳へ余計な圧をかけるため避けるのが基本です(新居浜市医師会「鼻のかみ方」)。
ここがポイント: 「一度で全部出す」より、「弱い力で何回かに分ける」。鼻が通らないときは、さらに強くかむのではなく、いったん休みます。
鼻づまりは「鼻水を出せば終わり」とは限らない
鼻づまりが強いときに力任せになりやすいのは、鼻水が出口をふさいでいるように感じるからです。実際には、花粉などへの反応で鼻の粘膜が腫れ、空気の通り道そのものが狭くなることがあります。
厚生労働省の花粉症に関する解説でも、ヒスタミンが血管を刺激して鼻づまりを起こすことが説明されています(厚生労働省「花粉症の疫学と治療そしてセルフケア」)。この状態では、強く息を出しても粘膜の腫れはすぐには引きません。
つまり、鼻をかむ目的は、出せる鼻水を無理なく外へ出すことです。鼻の奥まで一気に空にすることではありません。
強くかんでも解決しにくい場面
- 鼻水よりも粘膜の腫れが強い
- 鼻水が粘っていて、少しずつしか動かない
- 鼻の中が乾燥し、刺激に敏感になっている
- 花粉への接触が続き、かんだ直後から鼻水が出る
こうしたときは、力を増すより、花粉への接触を減らしたり、鼻を休ませたりするほうが現実的です。
強くかみすぎないほうがよい理由
強くかむ習慣を見直す主な理由は、鼻の粘膜と耳に余計な負担をかけないためです。
鼻の粘膜を傷つけることがある
鼻の内側には細い血管が多く、乾燥や摩擦でも傷つきます。そこへ強い圧力やティッシュのこすれが重なると、鼻血が出ることがあります。
NHSの鼻血に関する案内でも、強く鼻をかむことや鼻の内側の乾燥が、鼻血の原因として挙げられています。頻繁にかむ日は、力だけでなく、ティッシュで何度もこする刺激にも注意が必要です。
耳にも圧が伝わる
鼻の奥と中耳は「耳管」という通路でつながっています。鼻を強くかんだときに耳が詰まったように感じたり、耳に響いたりするのは、この構造が関係しています。
両方の鼻を同時にふさいで強く息を出すと、逃げ場の少ない圧が耳へ伝わりやすくなります。片方ずつかめば、開いている側から空気を出しやすくなり、必要以上に力むことを避けられます。
花粉の季節は「かむ回数を減らす準備」も大切
花粉の時期は、鼻のかみ方だけを変えても負担が残ります。鼻に入る花粉を減らし、鼻水が増えるきっかけを少なくすることもセットで考えましょう。
環境省は、花粉情報の確認、マスクや眼鏡の活用、花粉が付きにくい服装、帰宅時に衣服や髪から花粉を落とすことなどを紹介しています(環境省「花粉情報サイト」)。
外出前
- 花粉情報を確認し、飛散が多い日は対策を厚くする
- 顔に合うマスクを着ける
- 表面が滑らかで、花粉を落としやすい上着を選ぶ
- ポケットティッシュを多めに用意する
帰宅時
- 玄関に入る前に、上着や髪の花粉を静かに払う
- 手洗いと洗顔を行う
- 上着を居室へ持ち込まない置き場所を決める
- 使用済みティッシュをすぐ捨てられるよう、ごみ箱を近くに置く
小さな準備ですが、鼻をかむ回数が多い人ほど意味があります。ティッシュを探して我慢した後、一気に強くかむという流れも防ぎやすくなります。
鼻づまりが強いときの負担を減らす工夫
鼻が通らないときは、力で押し切らず、「出せる分だけ出す」「鼻を刺激し続けない」という二つの軸で調整します。
まず30秒だけ待つ
何度かかんでも出ない場合は、ティッシュを鼻に当てたまま連続して力まないようにします。いったん手を止め、口で静かに呼吸してください。
耳が詰まる、鼻の奥が痛い、頭に響くと感じたら、その時点で中断します。少し待ってから反対側を試すか、それ以上は無理に出そうとしない判断が必要です。
ティッシュは押さえるように使う
鼻の下が赤くなりやすい人は、拭き取るたびに左右へこするのではなく、ティッシュを当てて水分を吸わせます。肌への刺激を減らすため、柔らかい製品へ替えるのも一案です。
ただし、香り付きの製品や保湿成分が肌に合わない人もいます。かゆみや赤みが増える場合は使用をやめましょう。
鼻洗浄は「正しい水と器具」が前提
鼻洗浄を取り入れる人もいますが、単なる水道水をそのまま鼻に入れてはいけません。CDCは、鼻洗浄には蒸留水・滅菌水、または一度沸騰させて冷ました水を使うよう案内しています(CDC「How to Safely Rinse Sinuses」)。
実施するなら、次を守ってください。
- 鼻洗浄用として市販されている製品の説明書に従う
- 指定された洗浄液と安全な水を使う
- 強い圧力で流し込まない
- 器具を使用後に洗浄し、十分に乾かす
- 痛み、出血、耳の違和感が出たら中止する
完全に詰まっているとき、鼻や耳の手術後、免疫機能が低下している人などは、自己判断で始めず医師へ確認するほうが安全です。
続けるコツは「力加減」ではなく動作を決めること
「やさしくかもう」と思うだけでは、苦しいときに元のかみ方へ戻りがちです。続けるには、毎回同じ短い動作にしておくほうが実践しやすくなります。
合言葉を3語に絞る
鼻にティッシュを当てたら、次の順で思い出します。
- 片方
- ゆっくり
- 小刻み
力の数値を測る必要はありません。「大きな音を出さない」「耳に響かせない」を目安にすると調整しやすくなります。
必要な物を使う場所に置く
- ベッドのそば
- 洗面所
- 仕事机
- 外出用バッグ
ティッシュと小さなごみ袋をセットで置いておけば、鼻水を我慢してから一気にかむ場面を減らせます。花粉の時期だけ期間限定で配置を増やす方法でも構いません。
簡単に記録する
細かな健康記録は不要です。鼻血、耳の違和感、睡眠を妨げる鼻づまりなど、困ったことがあった日にだけスマートフォンへメモします。
記録するなら、次の4点で十分です。
- いつ始まったか
- 左右どちらか、両方か
- 鼻水、くしゃみ、痛み、発熱などの有無
- 市販薬や処方薬を使っているか
症状が続いて受診するとき、経過を具体的に伝えやすくなります。
よくある誤解と無理のない考え方
「強くかむほど、よく出る」
強い力で一時的に鼻水が出ることはあっても、粘膜の腫れが原因の鼻づまりまでは解決できません。耳や鼻への負担を増やす可能性もあります。
出せる鼻水だけを、片方ずつ数回に分けて出すのが基本です。
「鼻水は一滴も残さないほうがよい」
鼻には粘膜を保護する分泌物があり、完全に乾いた状態を目指す必要はありません。何度かんでも出ないなら、力を加え続けず休みます。
「鼻づまりはすべてセルフケアで対処できる」
鼻づまりの原因は花粉やかぜだけではありません。症状が長引く、片側だけが続く、鼻血を繰り返すなどの場合は、原因の確認が必要です。
注意点:鼻血や耳の症状が出たら無理をしない
鼻をかんで出血した場合は、さらにかんで血を出し切ろうとしないでください。顔をやや下へ向け、小鼻を圧迫します。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、小鼻を中心に鼻全体を約10分間しっかり押さえ、のどに回った血は飲み込まず外へ出す方法を案内しています。また、30分ほど圧迫しても止まらない、出血の勢いが強い、ふらつく、顔のけがを伴う場合は、早めの受診を勧めています(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻出血」)。
医療機関への相談を考えたい状態
- 鼻づまりや鼻水が長引く、または繰り返す
- 片側だけの鼻づまりや出血が続く
- 頬、目の周り、額などに強い痛みや腫れがある
- 発熱や強いだるさを伴う
- 耳の痛み、聞こえにくさ、強い圧迫感がある
- 鼻血を頻繁に繰り返す、または止まりにくい
- 呼吸が苦しい
持病がある人、妊娠中の人、服薬中の人、血液を固まりにくくする薬を使っている人は、鼻血や市販薬について医師・薬剤師へ早めに相談してください。点鼻薬を含む薬は、自己判断で回数や期間を増やさず、説明書や処方どおりに使います。
まとめ:一度で出し切らないことが鼻を守る
鼻づまりや花粉の時期に覚えておきたいのは、強さより回数を分けることです。
- 片方ずつ、ゆっくり小刻みにかむ
- 出ないときは力を増やさず、いったん休む
- 鼻の下はこすらず、ティッシュで押さえる
- 花粉を持ち込まない工夫で、かむ回数そのものを減らす
- 痛み、耳の違和感、鼻血が出たら中止する
次に鼻がつまったときは、まず片方を軽く押さえ、小さく一度だけ息を出してみてください。それで動かなければ、必要なのは強い一回ではなく、休憩か症状に合った相談です。
